さまざまな「人」を表現していかなければならない映像の仕事では、ヘアメイクだけで「微妙な匂いの差」が出せることも実力のひとつではないかと思います。たとえば「ホステス」という役があります。年齢や服の趣味、キャラクターとしての特徴など、役柄そのものの人物設定によって当然ヘアメイクの仕方も変わりますが、地域によっても纏う匂いは変わってきます。東京で働くホステスと、地方で働くホステスを同じように仕上げるわけにはいきません。東京のホステスには「粋」を加え、メイク、髪の結い方、着物の着方のどれにも小粋な感じをプラスする。地方のホステスの場合は、髪を大きく結うなどして少しの野暮ったさと派手さを出すなど、表現をそれぞれに変える必要があります。また東京でも、新宿、銀座、池袋でホステスの雰囲気はまったく違います。街の雰囲気が似ている新宿と池袋でも、微妙に表現は変わってきます。