がんの免疫療法について

2010-12-21

医師が取り組んでいる、がんの免疫療法について説明していきたいと思います。私が長年取り組んできたテーマは何かというと、「免疫療法でがんをなくす」ということです。このテーマと出会ったのは、一五年以上前のことで、がん治療の現場にいたことが大きかったと思います。以後、こればかりを追い続けてきました。まさに挫折の日々。私の人生は、七転び八起きの免疫療法人生ともいえるかもしれません。なぜ免疫治療を生涯の仕事として位置づけたかということですが、それには、私が大学院を卒業した一九八八年当時は、抗がん剤が全盛だったことを説明する必要があります。一九八五年から一〇年間は、国立がんセンターを中心にがん学会では「対がん一〇年戦略」というものを推進していました。つまり、どんながんに対しても、多くの種類の抗がん剤を大量に使おうという動きでした。何種類かの抗がん剤を併用すれば、どれかががんに作用して、がんは必ず消えるということを医者はみんな信じていたわけです。