くつろぐという言葉

2012-01-16

くつろぐという言葉は靴を脱ぐから来ているのではないかと思う。来客に、洋間のソファでブランデーのもてなしもよかろうが、床の間に掛け軸を吊るし、座布団に座って日本酒を酌み交わす……というのは招く側にしても招かれる側にしてもしっくりくるスタイルのようだ。正月にしても、鏡餅を供え、注連繩をしつらえるためには、どうしても和室がいる。通夜もまた然りである。しかし、現代の狭い住まいの中にあっては、そのような一生の内に何度かしか利用価値の少ない部屋を確保するのは無駄なこと、ということで、徐々に姿を消している。

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が、住まいというのは、もともと、たった一度しかないそういう行事のために存在しているのではないだろうか。